2型 糖尿病について
2型糖尿病は「インスリン分泌不全」と「インスリン抵抗性」の複合で発症する糖尿病
糖尿病は病気の名前に「糖」という文字が入っているため、砂糖などの甘いものの取り過ぎた結果なる病気というイメージがある方も多いと思います。
確かに砂糖の取りすぎは原因の一つですが、主因ではないのです。糖尿病は「糖」を食べ過ぎたからなる病気ではなく、「糖」が処理できない病気なのです。少し詳しく勉強してみましょう。
2型糖尿病は肥満などの生活習慣だけで起こる病気ではありません。
2型糖尿病(昔は、NIDDM、インスリン非依存型糖尿病と呼ばれていました)は最も一般的な糖尿病で、10人に9人以上はこのタイプです。2型糖尿病は「インスリン分泌不全」と「インスリン抵抗性」の複合で発症する糖尿病とされています。
その意味は、すい臓がインスリンを作り出しますが、その量が十分ではない「インスリン分泌不全」による「糖」処理の低下と、作られたインスリンが十分作用しない「インスリン抵抗性」による「糖」処理の低下の2つの要因があります。
どちらかの要因でインスリンが体から不足すると糖の体への取り込みが遅れ、血管の中に糖があるふれ変えることにあります。 この状態が高血糖と言われ、高血糖状態が続くと、様々な形で血管の壁に溜まり、糖尿病特有の合併症につながります。
「インスリン抵抗性」はダイエットや運動で改善する可能性はありますが、「インスリン分泌不全」は基本的には改善しません。
糖尿病になる要因はさまざまで、食生活などの環境因子と体質(遺伝)の組み合わせで起こると考えられています。この環境因子が強く影響するのが「インスリン抵抗性」で、体質(遺伝)が強く影響するのが「インスリン分泌不全」と言われています。
ここまで読んでいただければ、2型糖尿病が肥満などの生活習慣だけで起こる病気ではないことをご理解いただいたと思います。 混同しやすい1型糖尿病は主に免疫異常で起こる病気です。
2型糖尿病の治療は「適切な食事指導と運動を続けながら薬による治療を行う」と書かれています。当たり前のことのように思われるようかもしれませんが、実は深い意味があり、「環境因子≒インスリン抵抗性をなるべく食事運動療法で改善し、治療が難しい体質(遺伝)≒インスリン分泌不全をインスリンなどの薬で治療する」という意味です。
糖尿病治療は、食事運動療法と薬のバランスが重要で、バランスを間違えると血糖が下がらないだけでなく、むしろ寿命を縮める結果になることがあります。よって検査で正しく評価を行いながら、治療を続けることが大事になるのです。
2型糖尿病セルフチェック
2型糖尿病は次のような人に起こりやすいことがわかっています
・40歳以上の人
・太り気味の人(BMI23.0以上 体重(kg)/身長2(m))
・両親、兄弟、子供に糖尿病の患者がいる
・運動不足
頻尿
空腹感やのどの渇きがひどくなる
疲労感
予期せぬ体重減少
皮膚が乾燥して痒い
手足の感覚が低下する、または、チクチク指すような痛みがある
感染症によくかかる
目がかすむ
性機能の問題 (ED)
切り傷やその他の皮膚の傷が治りにくい